カノンリベンジ 
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エピローグ・ピアニッシモ

どれぐらいの月日がながれただろうか?あれからなんの変哲もない日々を幸せに生きてきた。
俺のまわりのキケンな存在はすべて排除できた。
季節は・・・雪が、輝かしい季節は・・・終わりを告げた。
季節は春。新しいクラスが発表されるため俺は学校へと向かっていた。
「・・・どこで発表してるんだ?」
俺があたりを見回していると小柄な女の子がはなしかけてくる。
「あのー・・・みなさん、どこで集まっているかわかりません?」
このストーリーで一般人が台詞をもつとは・・・すごいエピローグだ。
俺はそんなことを思いながら自分もわからないことをつげる。
「じゃあ、一緒に殺しあいましょう。」
俺は一瞬耳をうたがう。
「あ、まちがいです。一緒に探しましょう。」
「あ、ああ・・・・」
こいつ、普通じゃあない・・・
ほどなくしてクラスメートのかきだされた紙をみつけそれにみいる。
俺らはそこで別れそれぞれのクラスメートを確認することにした。
ほっ、なゆなゆとは別のクラスだ。これほどうれしいことはない。
「ゼロワン・・・見ているね・・・」
後ろに守護霊のようにたつなゆなゆ、俺の守護霊はすでにいるからそこに
たつのはやめろ。元気のない声がきこえたかと思うとすぐにきえさった。
俺は別段きにもとめず、もうひとり、さがさなくてはいけない人物がいた。
念入りに探す。
もっと念入りに探す。
「やっぱり、いないか・・・」
その紙にはしおり・みさかはかかれていなかったのだ。
念のため他の学年もみてみる。結果は同じ。

俺は体の奥底から湧き上がる歓喜を押さえきれず飛び跳ねた。
「おっしゃーーー!これで来年は安泰だーーーー!」
あたりから奇異の目でみられようと気にしてはいけない。
次の俺のクラスにはやばい人間はいまのところいないのだ。
俺が喜びを思いっきり表現していると突如後ろから先ほどの
女生徒が話し掛けてくる。
「さきほどはどうも。なにがそんなに嬉しいんですか?」
「いやぁ、しおり・みさかの存在が消えてたからさ、
 あいつ、空間を渡ってくるから気がぬけねーんだよ。」
「ゼロワンさん、ちょっとその紙の左隅、みてくれません?」
そういって女生徒が指差すほうをみる。
そこは注意してみなければ特におかしくもなんともない。
だが、俺は気づいてしまったのだ。神経質になりすぎた。
ともいえなくはないが、そこだけ他の場所より空白がわずかに広い。
ワープロ原稿をそのまま印刷したのだ。そんなことありえない。
つまり・・・・
「空間ごと、抉り取られた・・・」
ドゥン!その場所が綺麗に円状に抉り取られる。
女生徒がとなりでつぶやく。俺と目が合う。
手を顔に近づけたかと思うとバリバリとその面を脱ぎ去る。
そこから現れた顔は、ピアニッシモその人だった。
まずい・・・!時を止めるタイミングがわからないッ!
最近のなまった俺の体では2秒が限界だ。反応しきれるかどうか・・・
攻撃は突然はじまっていた。ふわふわと空中にただよう炎が突然現れる。
俺はそれを守護霊で消そうと殴りかかる。スゥ・・・
「こいつ、俺が殴ったのが見えているのかッ!」
「いえ、違いますよ。ほら。」
その炎はピアニッシモがいうように殴った手を攻撃するわけでなく
関係のない方に漂っている。
「俺のおこした風にのって動いているってわけかッ!」
「気づくの早すぎですよっ。」
「今週号よんでたからなッ!」
俺はその打開策を考える。よーく考えてみると今週ってピンチに陥る週じゃ・・・
突然その炎が俺のほうにむかってきたかと思うと爆発した!
「ぐぁぁぁぁぁあああああああ!」
やはり・・・時を止めるタイミングがわからない・・・・!
「いえ、あれは油断しすぎだと思います。」
「だからてめぇはえらそーにいうなってイッテンダロォォォォォォ!」

今年こそ、決着をつける。

エピローグ・ピアニッシモ・END