カノンリベンジ 
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予告編 カノンリベンジ-ざTO-わん

あれから何ヶ月かの月日がたったある日の朝・・・
私は相変わらず寝たふりをしてゼロワンがおこしにくるのを待っていた。
ドタドタドタドタ・・・
なにかすごい騒がしい。ゼロワンはいつもなにかしらトラブルに巻き込まれる。
恐らくその類だろう・・・
ドンドンドン!激しくドアをノックしたかと思うと遠慮もせずにずかずかと
入ってくる。棺おけの中にいるものの外の様子は人知を超えた異常聴覚で
手にとるようにわかる。
「わーっ!朝だよーっ!早くいかないと遅刻しちゃうよーっ!」
なんだ、この声は・・?声帯手術でもおこなったのか・・・?
様子がおかしい・・・
がばっ!ベッドの布団をはぐ音。だがそこには誰もいない。
なぜなら昨日はなんとなくベッドの下に棺おけを移しておいたのだ。
「あ、あれっ!?ベッドにいないよーっ!どこー!?」
声が高いのと行動が妙におとなしい。いつもならあたりを破壊している。
バタバタ・・・私のクローゼットを無断であけるとは・・・遠慮がないのか?
そしてようやくベッドの下の棺おけを発見する。
「こんなところにいるなんて・・・見つからないはずだよ・・・」
そういって棺おけをギギギとあける。だが私はそこにいつも見知った顔を
見ることはできなかった。見たこともない人物・・・そして同時に
ゼロワンも確認することができなかった。
「貴様・・・何者だッ!」
「え、あ、私!?私はみずぴーだよ。」
「変な名前だね。」
「変じゃないもん!」
「この、だよもん星人がッ!」
自らをみずぴーと名乗る女と口論しながら私はあたりを見回す。
やつは私の部屋を散々荒らしてくれたようだ。
そういえばこいつならなにか知っているかもしれない・・・
「ゼロワンをどこへやった・・・」
「くくく、吹き飛ばしてやったのさ・・・永遠の世界へナァッ!」
こいつ・・・なにをいっているのだ・・・永遠の世界、どこだそれは・・・
みずぴーが私の石仮面の研究レポートをひとつ手に取る。
そしてすこし力をこめたかのような顔をすると、
フッ・・・
それはどこかへと消え去ってしまった・・・!
「新手のリベンジャーかッ!?」
「違うもん!」
「どれ・・・手合わせ願おうかッ!」
私は問答無用で殴りかかる。みずぴーがにやりと笑う。
私の拳撃の間合いに入った瞬間、窓をぶちやぶり何者かが体当たりを
かましてきた。
「なゆちゃん、危ないっ!」
ドゥンッ!
体当たりしてきたのは死んだはずのあゆだった。だが再会と同時に目の前で
両手のミトンを残して消えてしまった。
「あゆちゃん・・・・あゆぅぅぅぅぅぅぅぅーーーー!」
絶叫する私をよそにみずぴーがそのミトンを手にもつとふっとそれは
どこかへと消えてしまった。
「貴様・・・ゼロワン、そしてあゆをどこにふっ飛ばした・・・ッ!」
「永遠の世界だよ、そこは私もどうなってるかよく知らない。
 次は・・・貴様を永遠の世界にぶちまけてやるッ!!」
あたりのものがみずぴーにふれるとどこかへと消えてしまう。
この能力は・・・・やばい・・・!

外に飛び出した私を執拗に追うみずぴー。しんしんと降り積もる雪。
だがそこでふとしたことに気づく。
みずぴーと私の間のゆきが綺麗になくなっているのだ。
私が空中を横に移動すると同じようによこに綺麗に雪がなくなっていく。
ふってくる雪もそのラインにくるとふっと消えてしまうようだった。
「そういうことか・・・攻撃の軌跡は読める・・・ッ!」
「それがわかったからどうだっていうんだよッ!」
「だまれぇぇぇぇぇぇい!このだよもん星人がッ!」
地上に降りた私は雪のあるところに走りこみながら
じょじょに間合いをつめていく。みずぴーは翻弄されながらも
なんとか照準をさだめようとするが私の100m7秒台の黄金の足には
ついてこれない。そして間合いに相手を捕らえた。
「間合いのつまった世界で貴様をブチのめしてくれるッ!」
だが私が攻撃しようとしたその瞬間、不覚にも雪に隠された落とし穴に
片足をとられてしまう。もちろん攻撃は不発。そしてその光景を
みくだすみずぴー。
「落とし穴、ほっておいたんだよ。」
「く・・・・」
こんな古典的なやられ方をこの私が認めるわけにはいかない・・・
絶対に認めぬッ!

「あうーっ・・・・」
みずぴーの背後に立つ一人の青年、顔はよく見えない。
「さ、散兵!?」
こうへい・・・じゃなくてさんへいと呼ばれたそいつは
その場から微動だにしない。みずぴーがそいつのそばによっていく。
私の危機を助けてくれたそいつは・・・いまだ動かない。
「もう永遠の世界から帰ってきたのかよ・・・
 予定よりずいぶんはえぇじゃねぇか・・・」
「あうーっ・・・」
この声音・・・まさか・・・!
まことの奴が変身しているのか・・・!?
私はそいつの尻あたりをよくみると尻尾が二つ生えているのに気がついた。
と、同時にみずぴーもそれに気がつく。
「おい、これはどういうことだ?あん?」
「あ、あうーっ・・・!」
「てめーは私の信頼を裏切ったってことか?答えろッ、さんへぇぇぇぇぇぇいぃ!」
がしっと尻尾をつかまれもがくまこと。変身がとけ、普段の状態に
戻ってしまう。
「貴様ァァァァァァ!」
プツンッ。
「ド畜生の分際で散兵にばけるとは貴様を必ず仕留めるッ!」
ドガバキャボキグチャバキメキャ!
撲殺されたまことの最後にみせた顔は笑顔だった。
「まこと・・・お前の仇は必ずうつッ!」
「ド畜生の分際ですぎた真似するからああなるんだよッ!」
横たわったまことの体にみずぴーが蹴りを入れる。
「駄目押しというやつだッ!」
ドゥンッ!
空中にはねたその体がどこかへと消えうせた。
私はその間にあつめていた雪を一気に凍結させ最後の決戦に臨む。
「これ、一生懸命つくったんだ・・・・、ウケトレヨォォォォ!」
「永遠は・・・あるっつってんだろうがァァァァァァ!」

予告編-END












注意:本気にしないでください。